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2007.09.19

Lucky Imaging技術

天体写真を撮るのに問題となってくるのが、”大気のゆらぎ”です。

これは地球上で、望遠鏡を使って天体写真を撮影する場合には、絶対に避けられない問題です。

 

地球には、大気があり、地球の大きさに比べるとリンゴの皮のように非常に薄い膜のようですが、非常に遠い天体の光が通ると、光がゆらいで(ぼやけて)見えてしまうことがあるのです(気流や上空に舞い上がった埃などの影響も)。

この問題を解決したのが、世界的に有名な”ハップル宇宙望遠鏡”です。

宇宙に出てしまえば、”大気のゆらぎ”は全く問題となりません。

 

ハップル宇宙望遠鏡”は、1990年にスペースシャトル・ディスカバリー号によって打ち上げられ、以来私たちに美しい天体写真を提供し続けています。

がっ!!

宇宙に打ち上げるためには、物の大きさや重さに限界があります。

ハップル宇宙望遠鏡”は、重さ11t、口径2.4mと天体望遠鏡としては小ぶりなのです。

 

地球上もっとも”大気のゆらぎ”の影響が少ない場所として、ハワイ島のマウナケア山(標高4205m)があります。

ここは晴天率が高く、標高も高いため乾燥していることもあって、世界各国の天体望遠鏡(ドーム)が集まる”天文台銀座”として有名なのです。

日本の”すばる望遠鏡”もここにあります。

すばる望遠鏡”は口径8.2mもありますので、”ハップル宇宙望遠鏡”と比べて約4倍近い大きさを誇ります(面積比12倍近く)。

この”すばる望遠鏡”には、”大気のゆらぎ”の影響を可能な限り小さくする光学補償システムが搭載されています。

 

か・な・り、前置きが長くなりましたが(ここまでか前置きなんです!)。。。

この光学補償システムの最新システムというのが表題の”Lucky Imaging”なのです。

原理的には、”システム”というほどの大げさな物ではなくて、要はたくさんの写真をとって、その中から最も良く撮れた写真(もっとも”大気のゆらぎ”の影響が少なかった写真)だけを抽出しようと言うものです。

この原理自体は、1978年にアマチュア天文家によって発案され、このたびイギリスの研究チームが、アメリカのパロマー天文台に設置されたヘール天体望遠鏡(口径5m)で、”Lucky Imaging”を実験したとのこと。

その記事が、こちらです。

Lucky Imaging Press Release August 2007

 

写真を見ると、驚くほどシャープに写真が撮れています。

原理は簡単ですが、実現までここまでかかったのは、「たくさん写真を撮る」という技術が追いついていなかったためで、1秒間に20枚という高速連写で、かつノイズが少ないCCDの登場により実現したとのこと。

この技術が確立され、世界の望遠鏡に採用されるのも、そう遠くないのかも知れませんね。

 

ちなみに、一般の天体望遠鏡にも、光学補償システム(AO装置)というのが販売されています。

”一般の”といっても、天体写真向けの冷却CCDカメラ(30万円程度から数百万円)との組合せで使用でき、約30万円くらいする代物ですが。。。

ただ、最新のAO装置が発売される予定で、これはほぼ半額の14万円弱になります。

今まで手が出なかった人たちに大人気のようで、すでに初期ロット分は完売とのことです。(^^ゞ

 

ニュース・ソースは、こちらで。

ハッブル宇宙望遠鏡より鮮明!シャッターチャンスだけを集めてシャープな画像

 

AO装置の新製品については、こちらで。

最新鋭「AO-8」アダプティブ・オプティックス

 SBIG製品の冷却CCDカメラとの組合せで使用できるものです。

 一般的な一眼ディジタル・カメラ等では使用できません。

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